2017年3月31日金曜日

原発事故被害者3団体共同声明 


 
住宅無償提供の打ち切りは認めない


 内堀雅雄福島県知事と福島県当局は、避難指示区域外からの避難者1万2539世帯・3万2312人に対する住宅無償提供と県内の一部仮設住宅入居を、3月31日限りで打ち切る、と改めて言明した。

 私たち被害者3団体はこれを認めない。今からでも遅くはない。この発言を撤回し、直ちに国と再協議し、法的責任に基づき被害者への住宅無償提供を継続し、抜本的な被害者救済制度を速やかに確立することを求める。

 県内外の避難者は、2013年以降、「来年の住まいはどうなるのか」という不安の中で過ごすことを強いられてきた。多くの署名を集め、「子ども・被災者支援法」の精神に基づく住居の安定した提供を求めてきた。しかし、内堀知事は2015年6月、政府から同意を得たとして、一方的に災害救助法の適用打ち切りを宣言した。前年まで政府に対し継続を要請してきた福島県の姿勢を一転させたのだ。


 その理由は何なのか。「除染の進捗、食品の安全性の確保等復興が進み、生活環境が整いつつある中、多くの県民が福島で暮らしており、応急救助の必要性が無くなった」というばかりで、判断に至った経緯、判断の根拠について、具体的な説明はない。「救助」を「支援」に切り替える必然性についての答えもない。政府は知事のこの判断を盾にして、「被害者救助の義務」を逃れようとしている。

  3月17日、群馬県に避難していた137名が求めていた損害賠償訴訟で、前橋地方裁判所は原発事故に対する国と東京電力の法的責任を明確に認め、被害者への賠償を命じる司法の判断を示した。そこには避難指示の有無による線引きはない。もはや、避難指示区域外避難者に対する「災害救助」での言い逃れは許されない。

   打ち切りに代わるものとして、避難者の声を聞くこともなく半年後に決定された「支援策」は、避難先自治体への住宅確保の依頼と、民間賃貸住宅居住者の一部に対する2年限定の家賃補助に過ぎない。それにも関わらず県当局は昨年以降、3次にわたって戸別訪問を実施、「3月末退去」を迫り続けてきた。

  内堀知事は3団体の公開質問状に対し、「自主避難者の約97%については、4月以降の住まいの確定が見込まれている」と回答した。この数字の根拠は何か。仮に、この回答を前提にしても、3%、343世帯は、いまこの段階で、生活の基盤である住まいを追われようとしているのではないか。「97%」の多くが、新たな経済負担に立ちすくんでいる姿が見えないのか。見ようとしないのか。
  これらの事態は全て、内堀知事の判断によって引き起こされた、新たな被害である。

   県民の命と生活を守るべき知事に、県民である原発被害者をさらなる苦境に追い込む権限はないはずだ。今後生じるすべての問題を含め、内堀知事はその責任を逃れることはできない。住宅提供打ち切りという人権を無視した手段を前提とした「帰還政策」「復興政策」は、既に破綻している。今こそ正道に戻るべきだ。

  私たちは、被害者の一人たりとも路頭に迷わせることは認めない。

    福島県内外を問わず、全ての被害者に日本国憲法が定める基本的人権が守られる生活が保障されるまで、住宅無償提供の打ち切りと仮設住宅からの追い出しを中止・撤回し、法的責任に基づく抜本的な被害者救済策の速やかな確立を要求し続ける。

 2017年3月31日


   原発事故被害者団体連絡会

    連絡先:☎080-2805-9004 Email:hidannren@gmail.com



    原発被害者訴訟原告団全国連絡会

    連絡先:☎090-3363-5262 Email
gensoren@zpost.palala.


    「避難の権利」を求める全国避難者の会

    連絡先:☎080-1678-5562 

         Email:hinannokenri@gmail.palala.com


    原発事故被害者3団体共同声明






2017年3月29日水曜日

2017年3月27日月曜日

第7回 福島県交渉 報告

 自主避難者への住宅無償提供打ち切りを目前にした3月24日(金)13:00より、第7回目の、ひだんれん、被害者訴訟全国連、合同の福島県との交渉が、ふくしま中町会館5階会議室で行われました。

  話し合いに入る前に、「ひなん生活をまもる会」が取りまとめた、全国16団体からの2万2930筆にのぼる、住宅の無償提供打ち切り撤回と長期無償提供を求める署名が提出されました。今まで提出したものと合わせると、総計8万6971筆になります。



  交渉の初めに、今月17日の「群馬訴訟」前橋地裁が国と東電の過失責任を認め、賠償が不十分だと認定し、低線量被曝を恐れて避難することには合理性があるとした判決に対する、県としての見解を求めましたが、福島県の担当者は、事前の質問事項にこの項目が無かったので、担当部署が出てきていないため担当部署を飛び越えて話すことはできないと、質問への回答を避けました。

 内堀知事はこの判決後の3月21日の定例記者会見で、「司法による判断についてはコメントを差し控える」としたため、今回の交渉でも生活支援課の担当者はそれに倣ってコメントできないとしながらも、国の賠償責任が認められれば、福島県の独自支援策として住宅の家賃補助制度を設けている立場から、当然注視していかなくてはならないとも答えました。
 

 今回の交渉でも、県としての災害救助法の応急救助の期間は終了した。終了した後も避難する世帯があるという事実を前提にして県独自の支援制度を作ったが、家賃補助については、子ども・被災者支援法によるものではなく、県の基金から捻出をしているので、財源の部分で個人の支援は難しいと繰り返しました。「一人ひとりに寄り添った支援をする」と言ってきたこととは、矛盾する内容です。
 また、災害救助法の打ち切りについては、決定は県知事だがその基準は国が示し、国の同意が必要で決定したことなので、国に打ち切り変更の打診はしない。ということを繰り返す答弁で、私たちの要求への歩み寄りは全く見られませんでした。


 県は97%の避難者の新たな住まいが確定したとしていますが、実際には契約はしたものの、4月からの家賃が払えない世帯があることや、国家公務員宿舎に継続入居する世帯は、月々10万円近い負担になること、保証人が見つからないなど、4月からの生活を安定して迎えられない人が多いのが実態です。県はその実態を把握しながら、打ち切りを強行しようとしており、私たちの再三の撤回または延長の訴えにも耳を貸そうとはしませんでした。
 4月以降の対応については、支援機構を含め、オーナーの手続きが第一義的な部分となるので、家賃が払えないということであれば、支援機構などのオーナーが法的な手続きに入るということを通知していることは聞いていると、対応を丸投げしていることも明らかにしました。
 その一方で、打ち切り後も新たな住まいが確定しない世帯には、支援を続けるとしていますが、現時点で何ら具体性のない口当たりのよい”支援”が本当に実行されるのか、住まいが見つかればそれで終わったのではなく、避難者の生活が安定するまでの支援を県がやろうとするのかの確認が必要です。

 ひだんれんとしては、来年度以降も県との交渉を継続し、新たな要求も加えながら、原発事故被害者の権利が守られるよう働きかけを続けます。






「民の声新聞」 毎回の取材と記事をありがとうございます

自主避難者から住まいを奪うな】来週打ち切り。「避難者」より「復興」を優先。一度も対話せず笑顔で切り捨てる内堀知事に募る怒り~第7回福島県庁交渉



◆第7回県交渉を伝える 朝日新聞福島支局 3月25日の記事







 















 

2017年3月23日木曜日

第7回福島県交渉



今年度最後の、ひだんれん、原発訴訟全国連、合同の

 第7回福島県交渉が開かれます。

 事前質問への回答を添付します。


 

  

日時:3月24日(金)13:15~15:15 

場所:中町会館 5階東会議室(福島県庁そば)

            中町会館のTEL 024-522-5123
 
 


第7回県交渉 事前質問への福島県の回答


2017年3月22日水曜日

福島県知事への公開質問状に対する回答

2017年3月8日に、原発事故被害者団体連絡会、原発被害者訴訟原告団全国連会、 「避難の権利」を求める全国避難者の会、3団体が、福島県内堀雅雄知事に対して公開質問状を提出し、その回答が3月22日に届きました。

今回の公開質問は主に、知事が決定した自主避難者の住宅供与打ち切りに対する現状認識と、その責任を問うものでしたが、知事に代わってそれぞれの担当課が答えており、知事が直接この質問に答えているとは全く思えないものでした。

例えば、1.知事の現状認識についての1)、知事は災害救助法打ち切りの理由の一つとして「放射線量が下がった」とされたが、その根拠は何か。の答えは、
「災害救助法の適用については、事故発生直後、原子力発電所事故の収束の見通しが立たない中、避難指示区域外からも避難した人々が多くおり、そのような発災時の避難の状況により、避難指示の有無にかかわらず、仮設・借り上げ住宅の供与を判断したところです。
その後、除染の進捗、食品の安全性の確保等復興が進み、生活環境が整いつつある中、多くの県民が福島で暮らしており、応急救助という災害救助法の考え方から今月末で終了することとし、その後は県による独自の支援策へと移行しています。」
この同じ文章が全く違う質問でも何度も回答として貼り付けられています。その回数は5回にも上りました。

住宅提供の打ち切りによって、不本意に移住を迫られることは基本的人権の侵害であるとの国連人権委員会の指摘があったが、知事はどう受け止めるかという質問の答えも、同じこの文章で、人権侵害については全く触れられていません。
質問の本旨をはぐらかした回答が多いのも今回に限らず、福島県のやり方です。

ひだんれんと被害者訴訟全国連が毎月のように、県の担当部局と話し合いをして避難者の状況と苦境を訴え、住宅無償提供の継続を求めたのにもかかわらず、瀬戸際の3月になっても判で押したような回答しかしないのは、被害当事者を全く無視して、国と同じように被害者切り捨てを画策していると言わざるを得ません。



 
 
 

原発事故被害者3団体記者会見の動画と記事


39日の「原発事故被害者3団体記者会見」

アワプラネットTV 記事と動画での報告です。


 


39日「原発事故被害者3団体記者会見」

 日本外国特派員協会にて。

2017年3月8日水曜日

福島県知事に公開質問状を提出しました。


福島県知事 内堀雅雄 様

        <避難者住宅問題解決に向けての公開質問状>


 私たち福島第一原発事故による被害者は、事故後6年を経てなお苦境の中にあります。
 わけても、2015年6月15日に知事が決定された避難指示区域外避難者に対する住宅無償提供の打ち切りは、期限とされる本年3月末日まで3週間余に迫り、対象とされた1万2539世帯・3万2312人の多くは、住まいの確保、のしかかる経済的負担という二重、三重の苦境に追い込まれています。

  私たち被害者2団体と全国で避難生活を余儀なくされている被害者は、このような事態を避けるため昨年5月以来、この政策を決定された責任者である知事に対し、政策変更に対する疑問への回答と、全ての避難者の暮らしが守られる解決に向けて、重ね重ね直接の話し合いを要請してまいりましたが、知事は「組織として対応している」としてこれを拒否されました。

  自らの決断による政策変更によって、多くの被害県民を窮地に立たせる結果を招いている事実を前にして、なお、被害者との対話を拒み続ける姿勢は異常と言わざるを得ません。

  私たちは、今後も知事との直接対話を含め、事態の正当な解決を求めてまいる決意です。その前提として、現時点で確認しておくべき点に関して、別紙公開質問状によって知事の回答を求めます。

  切迫している事態を踏まえ、3月21日(月)までに、文書をもってご回答願います。

 2017年3月8日

原発事故被害者団体連絡会
 連絡先:☎080-2805-9004 Email:hidannren@gmail.com


原発被害者訴訟原告団全国連絡会
 連絡先:☎090-3363-5262 Email:
gensoren@zpost.palala.

「避難の権利」を求める全国避難者の会
 連絡先:☎080-1678-5562 Email:hinannokenri@gmail.palala.com



 

          <質問事項>     

1. 知事の現状認識について

1)知事は災害救助法適用打ち切りの理由の一つとして「放射線量が下がった」とされたが、その根拠は何か。

2)朝日新聞が2月末に行った県内在住者に対する世論調査で、放射性物質が健康に与える影響について63%が「不安を感じている」と答えていることが報じられたが、これをどう受け止めるか。知事自身は、放射線が健康に与える影響に対する懸念はなくなったと考えているか。

3)県民健康調査で子供の甲状腺がんが多数発見されているが、知事は事故による放射性物質との関係をどう考えておられるか。 

4)2011年3月11日、原子力災害対策特別措置法に基づいて発令された福島第一原発事故に対する原子力緊急事態宣言は、未だ解除されていません。この事態をどう受け止めておられるか。

5)県が昨年行った「住まいに対する意向調査」で、県外避難者の50%から70%が「県外生活の継続を望んでいる」と答えているが、知事はこれをどう分析されたか。

6)2月23日の県議会本会議で、知事は「大部分の避難者は住まいの見通しが立っている」と答弁されたが、この根拠は何か。「見通しが立っている」とは、「健康で文化的な生活」(日本国憲法第25条)が営まれるということを意味しているか。


2. 知事の責任について

1)知事は今回の政策変更によって生じる結果について、政府と共にその責任を負ったことを認識されているか。

2)今回の政策変更によって、県民の安全と生活を守る知事の責務に違背することはないと断言できるか。

3)この3月末から4月初めにかけて帰還困難区域を除きすべての避難指示が解除され、約3万2千の県民が新たに「区域外避難者」になる。これらの人々に対しても、今回の政策変更と同様の対応をなされるのか。

4)住宅無償提供打ち切りによって、不本意に移住を迫られることは基本的人権に対する侵害であり、2015年の国連人権委員会に報告された「グローバー勧告」や、「社会権規約」「国連の国内強制移動に関する指導原則」などの国際的な規範にも反するとの指摘があるが、知事はこの指摘をどう受け止めるか。

 5)知事は「原発事故からの回復には時間がかかる」と発言しておられる。「支援策」の不十分さ、対応の遅れを率直に認め、少なくともすべての被害県民が安心して生活できる住まいが確保されるまで、今回の政策変更を撤回もしくは留保される考えはないか。そのことを政府と再協議する考えはないか。ないとすればその根拠を示されたい。
 

3. 政策変更決定の経緯について

1)災害救助法適用延長打ち切り、「福島県による支援策」切り替えを決断された日時及び内閣総理大臣と協議した日時を示されたい。

2)同上決断に至った経緯と理由を示されたい。

3)対象を「避難指示区域外」と特定した判断の根拠を示されたい。

4)同上決断に至る過程に被害当事者の意向は反映されたか。

5)政策変更によって被害県民の健康と生活が十全に担保されるとの確信があったか。あったとすれば、その主な根拠は何か。なかったとすれば、いかなる方法でそれを補おうと考えられたか。 


4. 「福島県による支援策」の決定経緯について 

1)「支援策」は2015年12月25日に発表されたが、打ち切り決定後半年を要した理由を示されたい。

2)「支援策」の検討は何時開始され、どのような機関で、何回の検討が行われたか。知事の最終決済は何月何日かを示されたい。

3)検討の過程で被害当事者の実態をどう把握されたか。当事者の意向を聴取されたことはあるか。あるとすれば、それをどう反映されたか。

4)2015年10月に行った関係都道府県へのアンケート結果は「支援策」にどう反映されたか。 

5)「住まいの意向調査」が「支援策」決定後になったのはなぜか。


5. 「福島県による支援策」の内容について

1)「支援策」の基本理念はいかなるものだったか。災害救助法による救助内容のレベルを維持するものか、レベルダウンもやむなしとするものか。

2)避難先都道府県への公営住宅確保依頼と民間賃貸住宅への家賃補助を柱とする「支援策」で、どの程度カバーできると考えたのか。

3)引っ越し費用の補助などで、帰還者と県外居住継続者との間に差を設けたのはなぜか。

4)民間賃貸住宅居住者への家賃補助を「初年度3万円、次年度2万円」とした算定根拠は何か。2年で終了とする根拠は何か。

5)「放射能への不安」を避難継続の理由と認めながら、これを家賃補助に限定したのはなぜか。

                             <以上>
 

◆公開質問状 表書き


 
◆公開質問状 質問事項


 
◆英訳・公開質問状 表書き



◆英訳・公開質問状 質問事項