2016年8月26日金曜日

福島県が、8月17日に「新たな支援策」を発表。


福島県は、避難指示区域外からの避難者に対する応急仮設住宅の無償提供期限を2017(平成29)3月末までとする方針を撤回せず、817日、県独自の新たな支援策を発表しました。
この新たな支援策はすべての避難者をカバーするものとはなっておらず、家賃補助率も低く、わずか2年間しか支援しないという大変不充分なものです。その上、打ち切り予定の来年3月まであと7か月しかない8月現在、避難者全体の実態の把握も未だになされていません。
このまま打ち切りを強行することは、新たな負荷を避難者に負わせることになります。3月打ち切りは撤回し、無償提供を延長して、避難者一人ひとりの実態に沿った支援策にしていくべきです。

福島県の新たな支援策はこちらをクリック


<福島第一原発事故による全ての避難者に対する無償化住宅支援継続を求める会長声明>
https://www.osakaben.or.jp/speak/view.php?id=127
 
817日、福島県が新たな支援策として民間賃貸住宅家賃への支援(避難者に対する帰還・生活再建に向けた総合的な支援策)を打ち出した後の、822日、大阪弁護士会会長から声明が発表されました。
 この声明で、大阪弁護士会は、支援策の対象は狭く、家賃補助率も低く、期間もわずか2年間でしかないという不十分な内容であるため、避難指示区域外からの避難者に対する応急仮設住宅の無償提供期限を2017(平成29)3月末までとする方針を直ちに撤回し、避難者が避難を希望する地域で今後の生活を自ら選択できるようになるまでの間、無期限でその継続をはかるべきである。としています。

 ■三県知事会議
 
8月26日に行われた、山形、福島、新潟の三県知事会議で、山形県の吉村知事は、
自主避難者の住宅支援の継続を、内堀福島県知事に要請しました。
内堀知事は、それに対しての明確な回答をしませんでした。
 
 会議での各県知事の発言を詳しく報じた「民の声新聞」
 【自主避難者から住まいを奪うな】山形県知事が福島県知事へ住宅無償提供延長要請。新潟県知事も「区域外避難者はつらい」~それでも打ち切り曲げぬ福島県知事
 
 ●河北新報

<原発事故>避難者の住宅 山形知事が延長要請
東京電力福島第1原発事故に伴う自主避難者への住宅無償提供を来年3月末で打ち切内堀知事は見直しの可能性には言及しなかった。
 山形県は自主避難者が多く、無償提供の打ち切り撤回を求める全県的な団体が近く設立される。吉村知事は「多くの自主避難者が生活資金や住まいに不安を抱えている」と支援継続の必要性を強調した。
 吉村知事は会議後、報道陣に「山形県内に多くいる避難者の声を福島県に伝えることが大事だ」と説明。今後の対応は「(設立される)団体の意見を聞いて検討する」と語った。
 内堀知事は「要望を受け止める」としながらも、具体的な対応は「戸別訪問などを通じ、避難者に寄り添った支援を考えていく」と述べるにとどまった。
 泉田裕彦新潟県知事も参加した会議では、原発事故に伴う風評被害対策の継続や交通ネットワークの整備など国への要望をまとめた。9月中にも関係省庁に共同で提出する。
福島民友新聞
 避難者支援継続の財源確保要望へ 福島、山形、新潟が3県合同で
  本県と山形、新潟両県は25日、郡山市で知事会議を開き、東京電力福島第1原発事故に伴う本県から山形、新潟両県への避難者の支援を継続するための財源確保を3県合同で国に要望していくことで一致した。
 県によると、本県から山形県への避難者は約2800人、新潟県は約3200人で、両県への避難者は県外避難者約4万1000人の1割強。両県とも国の交付金などを活用して保育料の減免や就学支援、生活相談、見守り活動など独自支援を行っている。しかし、震災から5年以上が経過し、徐々に国の交付金メニューが縮小されるなど避難者支援のための財源確保が困難になっている。吉村美栄子山形県知事は「避難者の多くが心身に不調を抱え、心のケアは一層重要性を増している。避難の長期化に伴い、子どもの成長などで家族の状況も変化し、避難者のニーズが多様化している」と支援継続の必要性を強調した。
 一方、原発事故の避難区域外から避難する自主避難者への住宅無償提供を来年3月で打ち切る本県の方針について、吉村知事は「避難者の今後の生活への不安が払拭(ふっしょく)されていない」と指摘した上で、県に「さらなる住宅支援に特段の配慮をお願いしたい」と語った。泉田裕彦新潟県知事は「新たな住宅への円滑な移行が最大の課題だ」と述べ、小中学生世帯への家賃支援や引っ越し費用補助など独自の支援策を拡充させる方針を説明。「福島県だけで対応するのは難しい。避難者の思いを国全体としてどう受け止めるのかという中で本来は解決されるべきことだ」とも述べた。内堀雅雄知事は「戸別訪問を丁寧に進めていく。できる限り避難者に寄り添って、生活再建に向けた支援を行っていきたい」と話した。
 
 

 

 
 

                      

2016年8月12日金曜日

第2回 原発事故避難者の住宅無償提供継続を求める福島県との交渉

 
 

 
8月9日午後、福島市で、ひだんれんと、原発被害者訴訟原告団全国連絡会(原訴連)共同で「第2回 原発事故避難者の住宅無償提供継続を求める福島県との交渉」を行いました。
 
7月8日の第1回の交渉での積み残しの要望と質問に対する文書での回答をもとに、京都、大阪、神奈川、東京、山形などの県外、福島県内からの避難者、約30名が交渉に臨みました。
 
福島県の回答書(下記に添付しました)には、東電福島第一原発事故に対して県にも責任があるという文言はなく、交渉の席上でも「重く受け止めている」という言葉だけで、交渉団の追及にも「県にも責任がある」ことは認めようとしませんでした。
また、「一人ひとりの避難者に寄り添った支援に取り組む」と言いながら、被害回復の最優先課題として帰還環境の整備と答えるなど、一貫性のない政策の羅列は、避難者の苦境をわかろうとする誠意ある態度とは言えず、交渉団からは怒りの声が上がりました。
 
「知事の自主避難者に対する方針変更があれば、内閣府として受け止める」との発言を確認してほしいという要求にも、17に上る避難者受け入れ自治体から住宅支援の継続を求める意見書が福島県と国に届いている(717日現在)ことに対しての知事のコメントを求めたことも無視しした回答でした。
 
以下3点は今回の交渉で確認されました。
①緊急案件である、「今年のうちに転居した避難者は、来年1月からの民間賃貸住宅補助対象外になってしまうのか」に対しては、「民賃補助制度が公表された後に転居した人がいれば、その最初の人から対象となる。
ただし、来年の1月からしか家賃補助は出ない」との回答でした。
 
②避難先各自治体の公営住宅に入居する際の収入要件が低すぎて、応募できない人が多い。収入要件を上げてほしいという質問に対しては、
「収入要件はあくまで月額158千円とするが、ある程度緩和の方で考えている。新たな支援策をお盆明けに発表する」との回答でした。
 
③地震津波による「被災者生活再建支援金受給世帯(注)」には民賃補助が適用されないのか、という質問に対しては、「それは問わない、民賃補助の対象になる」との回答でした。
しかしこの問題は、15年12月発表文書に、「被災者生活再建支援金受給世帯」も避難指示区域と並べて対象外と明記されていたものなので、事実上撤回したというべきです。
補助の対象にならないと言われて、何度も県に掛け合った避難者がいたから撤回されたという事実があります。
(注)「被災者生活再建支援金」は、自然災害で家屋に大規模半壊以上の損壊を受けた世帯の居住環境再建を支援するもので、福島県内では約30000世帯(数は地震被害の方が多いと見られる、中通りも含む)が受給しています。
 
 
 福島県は被害県として避難者の困難な実態を把握し、3月打ち切りは撤回するべきだという交渉団の再三の訴えにも、「十分でないのは分かっているが可能な限り対応し、新たな支援策を提示する」という態度を改めようとはしませんでした。
 
3回県交渉は9月初旬を予定しています。
小出しの支援策ではなく住宅無償提供の継続を求めて、県のかたくなな態度を切り崩していきます。
 
要望書、質問に対する福島県の回答はこちらをクリックしてください。


第2回交渉を伝える「民の声新聞」
http://taminokoeshimbun.blog.fc2.com/blog-entry-34.html