2018年3月21日水曜日

福島県議会企画環境委員会での質問


福島県議会企画環境常任委員会で宮本しづえ議員が、原発事故被災者の生活再建に向けた関係9省庁会議と、現地会議について、また、東電が住宅賠償を打ち切った後、57億円の寄付をして福島県に住宅の家賃補助事業をさせるという件について質問しました。

その答弁の中で明らかになったのは、福島県が住宅供与打ち切り後は区域外避難者を避難者数の統計から除いて少なく見せかけ、正確な避難者数や実態の把握を避けていること。また、東電の賠償打ち切りを認めて寄付を受け付けるということは、東電が起こした事故の責任を福島県が免罪することになるという指摘にも、真摯な回答はありませんでした。

企画環境委員会での質問と回答はこちらをクリック

福島県議会企画環境常任委員会での宮本しづえ議員(共産)の質問
                             2018年3月14日11:00~12:00


Q:宮本議員質問
A:福島県の回答

<9省庁会議と実態調査> 回答は主に避難者支援課長

Q:2月7日に避難者の生活再建をどう支援するかと、9省庁の事務局会議が開かれ  県もオブザーバーで入っているが、どのような検討がなされて、どのように進行するのか。


A:この会議では避難者の生活再建に向けた課題を整理検討するため、国として省庁会議を開き、それに基づいて2月27日に現地会議で県や市町村から課題を抽出する。

Q:今後の施策を考える上で、避難者の実態調査をすると思われるが、対象者は誰で、いつ、どのようにするのか。

A:2月27日の現地会議で課題を抽出し、来年度につなげ、再来年度に向けてこれから具体的な作業となる。

Q:県は実態調査をする際に、自主避難者や住宅を再建した人を避難者数に入れて   いないが、実際に避難している人の数を正確に把握する必要がある。国が今後実態調査をするのであれば、自主避難者を含めたものでなければならない。
  2月7日の会議の後の報道記事*資料1では、自主避難者を含む県内外の避難者の住まい、就労、健康的な暮らしの支援策を再検討すると書かれている。実態調査には自主避難者も含まれると思うが県の認識は。


A:2月27日の現地会議では、避難者の生活再建の課題について話し合われた。避難者は区域内外に分けられるものではない。住まい、就労、健康問題に関して、自主避難者も含めたものになるだろう。
  実態調査は今後、必要があれば検討して行きたい。


Q:国が自主避難者も含めた調査をするのであれば、県も調査をお願いする、協力するという立場で、必要があればではなく、必要だという認識で対応すべきと思うがどうか。

A:避難者の正確な把握は難しい。一方で個人住宅や公営住宅などそれぞれの分野で把握している。
その中での支援は継続的に行っている。実態把握に関しては、今年度の始めに支援対象者に幅広く支援を継続して行くとしている。*資料3


Q:今までのやり方では全体像を把握するのには弱い。
昨日の答弁では、復興支援員が訪問している件数は9都県で3000件とのことだが、県外避難者はもっと大勢いる。県が言っている避難者数の半分は県外に避難している25000人位になると思うが、それらの中に自主避難者は入っていない。だから、相当な数になるはずだが実態が把握されていない。その実態を把握したうえで今後の支援策を立てるべきだ。それがあるべき姿だ。県がその立場に立ってしっかり国に対応してほしい。その認識はあるのか。


A:まず、全国の避難者に自主避難者が入っていないとのことだが、県の統計では避難者は応急仮設の入居者ということで、結果的に今年度の4月以降は県内からの避難者数には含まれていない。県外は復興庁の調査で自主避難者も含めてカウントされていると認識しているので、入っていないということではなく入っていると認識している。
  自主避難者に関しては何もやってない訳ではなく、供与終了前には意向調査もやったうえで戸別訪問で調査している。全国に相談拠点があるのでそちらで把握している。


Q:復興庁は自主避難者もすべて避難者としてカウントしているとのこと、復興庁は避難者数を何人としているのか。

A:復興庁は県外34000人、県内合わせて50000人と発表しその中に自主避難者も含まれている。


Q:県が去年の5月に避難者数を発表した時、一気に10000人減っていた。*資料4
  減った理由を聞いたところ、自主避難者を避難者数から除いたからとの答えだった。今になったら、復興庁の避難者の数に入っているというのは認識として違うのではないか。


A:先ほど答弁したように、今年度初めに県は応急仮設住宅の入居者を避難者から除くことになった。こういう説明はしていなかったが、復興庁が各都道府県に照会をかけてカウントしていると思うので、県が把握したというよりもそれも含まれているという認識で考えている。

Q:そうすると県外34000人は避難区域内、区域外に分けた場合はどのような数字になるのか。

A:復興庁のデータは区域内、外に分けていない。復興庁は各都道府県からの数で全国集計をしている。そのデータから福島県分を分けてもらっている。34000人から敢えて推計だけでもというのならできない訳でもないが。

Q:去年の5月に自主避難者を除いたと言ったが、あの時避難者から除かれた10000人はどういう人たちだったのか?

A:多くは県内の自主避難者の数を統計から外したが、全国的には福島に戻った人や、生活実態のない人の数が積みあがった数字だと思うが、主な原因は県内の自主避難者ということになっている。

Q:県外の自主避難者は今もこの34000人に入っているととらえているのか?それならば概ねどのくらいなのかを掴んでいないのはおかしい。34000人中自主避難者は何人ぐらいと考えているのか。

A:先ほどの避難者が一気に減ったというのは、自主避難者への住宅供与が終了したのでここで把握ができなった。その一方で総務省の避難者情報システムのデータや都道府県、市町村のデータが積み上がって現在34000人ほどで、区域内外に分けると半々ぐらいかとみている。

Q:そうすると避難指示区域外の自主避難者は17000人ほどになるということだ。福島県の家賃補助の支援を受けている世帯は2000世帯しかいない訳で、それ以外のみなさんがどういう状態で避難生活を継続しているのか、非常に重要な問題だ。その実態を正確に把握して国に向けてしっかりした支援策を求めていくのが県としての立場だし、そうでなくてはならない。
自主避難者を含めた区域内、外の34000人すべてを対象にした実態調査を国に求めてほしい。


A:国でアンケート調査をやると言っているので求めていく。

Q:すべての避難者を対象にした調査を求めていくということですので、是非そのようにお願いしたい。


<現地会議について> 回答は主に避難者支援課長

Q:2月27日の現地会議は一般公開されたのか。


A:事前に公開されていたが、会議は冒頭だけの公開だった。

Q:会議は非公開だった。議事録も開示されないというが、そうなのか。

A:会議については会議終了後に報道関係者には記者会見で知らせた。会議録については確認したい。 

Q:来年以降、避難者支援をどうするのか、地元の声を聴きたいとして開かれた現地会議だが、公開されないとなればいったい誰のための会議かということになる。県として公開してやるべきと国に求めるべきだ。
  この現地会議は、避難区域の自治体と県と、県民はこの会議にどのように参加することができるのか。


A:この会議の枠組みは国、県、市町村の課題を議論したが、今後の方針に関しては確認していないので、確認したい。

Q:被災者の生の声を会議に反映してほしい。いつもこのような会議に出るのは行政当局だが、住民と行政の担当者が一致しないというのは度々あった。
  その象徴が避難解除の受け入れだった。住民説明会が何回も何回も行われ、住民からは時期尚早という意見が沢山出たのに、県側として国の方針通りに解除を受け入れた。しかし結果として去年3月31日に解除された地域で戻った人は15.3%しかいない。住民、被災者と自治体行政は必ずしも一致しない。だから今後の避難者支援の在り方についてどうするかといった時には、当事者の声を反映させる仕組みを県として作るべきだ。


A:(避難地域復興局長)避難解除については、解除が遅かったために整備が遅れて住民が戻っていない。
多くが戻りたいと思うような環境整備に力を尽くしたい。 
現地会議の話は、国の省庁会議があり、住民の生の声をという考えもあるかと思うが、市町村、社協など住民の近くで相談を受けている人の声を聞いて点検していくということになっている。避難者の声は避難者交流会の場などで聞いていく。


Q:避難解除を遅らせればよかったのかなどという問題ではない。
なぜ、避難解除が問題になるかといえば、賠償と一体だからだ。帰還困難区域を除いた地域は、解除後1年で精神的賠償は終わる。今月いっぱいで終了だ。その結果双葉7町村の住民の実態調査(福島大学うつくしまふくしま未来支援センターによる *資料5)によれば7割が経済的不安を訴えている。賠償が終わってしまうのが非常に不安なんです。賠償と一体だから問題なんです。賠償と切り離して、戻りたい人は戻って下さい、そのための条件整備をします、ならよかったが、そうではない。解除が賠償打ち切りとセットで進められた。だからこそ住民の意見をしっかりと聞かないといけない。反映させる仕組みが必要だというのはこういうことがあるからなんです。
これを分かったうえで被災者支援の施策を国に求めてほしい。

<東電の57億円の寄付について>


Q:家賃賠償について東電が寄付する57億円は、1年間の家賃賠償に相当する金額だ。来年度3月以降も延長することについて、県は国とどのような協議をしているのか。

A:(生活拠点課課長) 家賃賠償を来年3月まで延長するだけでなく、生活再建を後押しする避難者意向確認事業と、家賃等支援事業二つの構成となっている。31年度以降は供与期間の延長も含めて、どういった支援が必要か国などと検討する。

Q:意向確認支援事業にいくら使うのかも聞きたいが、大部分は家賃賠償だ。まだ避難は継続しているのに、賠償は打ち切る。賠償であれば避難者と東電との関係だから、賠償を打ち切るのは東電だが、東電の寄付金を受けて県が支援策をやるということになれば、県が被災者の支援策を打ち切る当事者になってしまう。こういうことをやっていいんですか?大丈夫なんですか?賠償はあくまで東電に求めていくべきです。今、課長が言った移行確認事業は被災者支援事業の中で取り組めばよい。これを賠償と一体でやることで東電を免罪するということを県はやるべきではない。そこはどのような認識なのか。
  (しばらく間あり)


A:(原子力損害対策担当理事)家賃賠償については、今年度末で東電の家賃賠償が終了し、一方、応急仮設住宅の供与の延長があったことから、住居の形態によって差が生じないよう、地域の実情に応じた対応をしてほしいとの要望があり、賠償と施策による対応両方含めて検討した結果による。

Q:こういう提案があったことに対してよしとしたということか。
東電が県に寄付をして、県南と会津に県が独自に支給したことがあったが、東電は県南と会津には迷惑をかけていないという関係は変わっていない。賠償で求めなければ東電の責任は免罪されるということになる。この家賃賠償もそうなってしまう。たった7年で東電の責任が免罪されるということに、県が手を貸していいんですか?もっと加害者の責任を求めていくというのではないと、県の立場としてまずいのではないか。


A:東電には引き続き求めていく。



<資料請求>
Q:楢葉が今月で仮設住宅の提供が終了する。これに関して資料を請求する。
 ①2月末までの個別訪問の統計
 ②来年3月で住宅供与が終了する地域の町ごとの戸別訪問数
 ③来年度終了する地域の意向調査



・楢葉町でまだ移行先が決められない世帯は
 2月末現在 見通しが立った  1462世帯 95.2%
       未定           52世帯 3.4%
       決められない     22世帯 1.4%


                                   以上



資料1


http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201802/20180208_71019.html 

(2月8日 河北新報)
被災者支援策改善へ 関係9府省庁、6月まで取りまとめ
 東京電力福島第1原発事故の被災者の生活再建に向けた関係9府省庁会議の初会合が7日、東京・霞が関であった。原発事故から7年となるのを前に、府省庁間の連携を改めて強化することを共有。2019年度予算の概算要求をにらみ、6月までに従来支援策を点検、改善した施策を取りまとめる方針を確認した。原発事故で住民避難を余儀なくされた福島県内12市町村と県が参加する現地会議を設置。内閣府が今春始める被災者の実態調査も踏まえ、生活再建に必要な(1)安定的な住まい(2)就労(3)健康的な暮らし-の3項目で課題とニーズを洗い出す。自主避難を含む県外避難者の支援策も再検討する。12市町村では避難指示の解除や学校再開、医療施設の整備が徐々に進み、帰還困難区域でも特定復興再生拠点区域の計画が始動した。一方で今後、被災者への家賃賠償、仮設住宅提供は終了の節目を段階的に迎えることから、復興庁と内閣府が中心となって会議を開催した。



資料2 経産省ホームページより
避難指示区域等における被災者の生活再建に向けた関係府省庁会議 第1回 配布資料
http://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/kinkyu/committee/seikatsusaiken/2018/0207_01.html
資料によれば、2月7日の第1回会議では、事務局は内閣府原子力被災者生活支援チームと復興庁で、経産省、文科省、厚労省、農水省、国交省、環境省、それに原子力対策本部、そして福島県の避難地域復興局の成田良洋局長がオブザーバーで入っている。



資料3 避難指示区域外からの避難者への応急仮設住宅供与終了に伴う今後の支援について
https://drive.google.com/file/d/0Bw9-NJsCQLz9emVIeUpvLW9sUzJIOW5yRGdrOE1CalpGbnVN/view?usp=sharing



資料4 避難者数(2017年 H29年5月末時点)
https://drive.google.com/file/d/0Bw9-NJsCQLz9RXVQZUJzczM4ZFlTOXBOQ1dNbHZ5dm9wTXRF/view?usp=sharing



資料5 うつくしまふくしま未来支援センター 第2回双葉郡住民実態調査報告書
http://fure.net.fukushima-u.ac.jp/wp-content/uploads/2018/02/d78775091507d4436d30da9da35deb28.pdf

2018年3月14日水曜日

福島県議会常任委員会で県民健康調査に関する質問

県民健康調査を県民のものにするためには、検討委員会や評価部会の動きを注視し、
県民のためにならない動きがあれば、素早く協力し合って対応することが大切です。
今回は県民に気付かれないように密かに、県立医大と県民健康調査課が、甲状腺検査実施計画の目的から「甲状腺の状態を継続して確認する」 を削除していましたが、「元に戻すことを含めて医大と相談する」との回答を引き出しました。県民不在の県民健康調査の実態をあきらかにしていきたいです。
削除を見つけたアワプラネットTVの白石さんと、削除を撤回させた古市議員に感謝します。

アワプラネットTV


3月12日(月)福島県定例県議会 
福祉公安委員会での、古市三久議員(民進)の質問と県の回答
Q:古市議員  
A:県の担当( )に部や課が入っていないのはすべて県民健康調査課課長

<データベースについて>
Q:「症例データベース」が県立医大にあるのは承知しているか。
A:中味は把握していない。
Q:2016年3月時点で県立医大で手術をした128の症例があるとされている。県民の健康を考えるなら、県として把握する必要がある。
A:外科手術による研究部門であることから、自動的に把握できない。研究の結果がでたら県民に説明する。
Q:「健康管理データベース」には二次検査以降は入っていない。県は門外漢となっている。個人情報の制約はあっても、県には説明責任がある。膨大な金もかかっている。
Q:県としてリアルタイムで県民に知らせる責任がある。部長いかがですか?
A:(保健福祉部長)データベース中の症例分析はこれからするということを聞いている。
Q:県立医大は2年ぐらいかかると言っているようだが。
A:医大に、できるだけ早く報告するように伝える。
Q:「健康管理データベース」には2次検査によってガンと診断された人のデータは入っているのか。
A:診療情報はデータベースの対象外。県立医大の手術症例と県民健康調査の関連性については県立医大で調整中。
Q:「健康管理データベース」に県はアクセスできますよね。
A;県はアクセスできない。
Q:県が委託して、金も出しているのに、県がアクセスできないとは問題だ。

<サポート事業>(甲状腺がん(疑い含む)に係る保険診療の医療費等の支援金交付事業)
Q:県民健康調査のシステムがわかりにくい。一元的に管理することが必要。
  福島県が、がんになった県民を差別するようなやり方になってはならない。対象者は事故当時福島に居た人でいいのではないか。捕捉するシステムを作るべき。
A:サポート事業対象者は、県民健康調査の一環として実施しているので、県民健康調査の甲状腺検査の受診者で二次機関で手術をした人が対象。
  県民健康調査の枠組みの中でやっているので、枠を広げるのは、国の交付金を活用してやっているので、国と協議していく。
Q:県民健康調査は、福島県がやるということを決めたのだから、福島県が決めればいい。
  対象者は当時福島に住所があった人、などに変えるべきだ。
A:(保健福祉部長)サポート事業の枠を広げることについては国と協議しながら進める。
Q:ガンになって苦しんでいる人がいるのだから、できるだけ早い時期の改善を。

<学校健診について>
Q:学校検診について、縮小、継続、いろいろな考えがあるが、県としてはどうか。
A:第30回県民健康調査検討委員会で、甲状腺検査の不利益についての事前の説明が不十分だと指摘があった。30年度の学校健診は予定通りやる。事前説明については評価部会で検討する。
Q:学校の負担が大きいというのなら、負担軽減の施策をすべき。県民健康調査には1000億円の予算があり、既に300億円を使っているが、700億円が残っている。
  また、養護教諭に甲状腺ガンの情報がなく困っているとも聞く。
A:学校健診は教育委員会と協議し、より良い検査を求めていく。
Q:鈴木眞一先生はこう言っている。放射線被曝の背景の下で、急激な甲状腺ガンの増加があるかないかを見ていく健康診断であると。学校の健康診断に組み込むべきではないか。
A:甲状腺検査は同意の得られた人にのみ実施しているので、学校の健診のように誰にでもできるものではない。
Q:身長、体重を測ると同じでいいのではないか。原発事故があったから甲状腺検査をしている。その特殊性を考えて健康診断としないといけない。

<4巡目「実施計画」の目的から文言が削除されていた問題>
Q:甲状腺検査の4巡目「実施計画」のふたつの目的から「甲状腺の状態を継続して確認する」といった文言が削除され、「子どもの健康を長期に見守る」だけになっていた問題について県は承知していたのか。
A:4巡目の目的は変わっていない。医大と県の間で事務的に文言を修正した。
Q:甲状腺の状態を把握しなかったら県民健康調査の意味がない。なぜここを削除したのか。確信犯的にやったのではないか。県民健康調査は何億円もかけてやっている。
基本的なことをないがしろにしていいのか。部長!
A:(保健福祉部長)おっしゃるとおり、4巡目ということになると、過去の変化があったかどうか調べる上で当然ですので、これをないがしろにはできない。
A:(県民健康調査課長) 元に戻すことを含めて、医大と相談する。
Q:福島県がこんなことやったら笑われるよ。福島の子どもたちが安心して生活でき、大人になって福島を支えるような環境を作らなければならない。そのために議論している。基本中の基本だから、直ちに戻してください。

<20才以上の甲状腺検査、再発について>
Q:20歳以上の甲状腺検査が5年ごとになるのはなぜか。
A:頻度は検討委員会の意見による。臨床的、疫学的にも5年に一度で十分であると聞いている。
Q:福島の甲状腺ガンの進行は早いと言われている。安心安全を確保するうえでは間隔を延ばすべきではない。
A:指摘の点は医大と検討委員会に伝える。
Q:再発についての県の見解は。
A:診療情報についてのコメントはできない。
Q:再発した人もいる。県として把握し対応をしなくてはならないと思うが。
A:甲状腺検査をしっかりすることで対応する。

<アイソトープ治療について>
Q:県立医大にアイソトープ治療棟ができ9床もある。全国     130床のうち9床もだ。
  37億ベクレルのカプセルを飲む。ガンマ線だけでなくベータ線も出る。1週間の後退院しても回りを被曝させることになるほど強い線量で、自分も被曝する。
  再発した人はこのような辛い治療を受けている。アイソトープ治療の人はサポート事業の対象になるのか。
A:アイソトープ治療については把握していないが、サポート事業要項の対象者であれば対象になる。

<甲状腺検査の順番>
Q:事故当時の甲状腺検査の順番はどのように決めたのか。
A:当時の先行検査は検討委員会で、モニタリング線量の高かった地区からとした。
Q:問題ないということか。
A:当時人材が少なかったこともあり、緊急性の高かった地域から実施した。
Q:やむなしだったということか。

<検討委員会に県民の声を>
Q:県民の声を反映させることについてはどう考えているか。
A:県民からの様々な声は検討委員に伝えている。
Q:それと同時に県民の代表を入れる必要があると思うが。
A:県内の事情に精通した先生もいる。 
       
<三春町が配布した安定ヨウ素剤について>
Q:事故当時、三春町が安定ヨウ素剤を配った後で、県が回収しようとしたのはなぜか。
A:(地域医療課長) 当時国から服用指示がなかったため、副作用があるとして回収を指示した。
Q:当時はそうだったが、今はどうか。
A:基本的に国の指示があれば、事業所からの距離で考慮する。
Q:事故後改善されたはずだが。
A:昨年度の県の原子力災害対策により、30キロ圏内は各役場に配置、50キロ圏は国の管轄に移行する。
Q:今回の事故の対応がまずかったということで改善されたと思うが、未だに国の指示待ちか。
A:服用のメリットデメリットを勘案しながら状況に応じて判断する。
Q:要するに変わってないこと、三春については問題なかったという理解ですね。

<県立医大に4000錠の安定ヨウ素剤を配布した件>
Q:県立医大には安定ヨウ素剤を渡したのはなぜか。
A:県立医大は災害時医療の拠点であるため配布した。
Q:服用したのか。
A:県立医大が判断した。
Q:医療従事者は大事だから配った。それ以外の県民は大事でねえと言っている。そうじゃねえべよ。県民に配って、飲むかどうかはその次の判断だ。こういう考えが県にあったのなら、県民軽視、県民無視だ。部長、それでいいのか。
A:(地域医療課長) 声が小さくて聞き取れず。
Q:そのような判断をこれからもしないように。

<甲状腺ガンの把握>
Q:県民健康調査では甲状腺ガンの把握はしないとなったのか。
A:評価部会での議論は、手術症例の把握は県立医大での調査、地域がん登録、全国がん登録を活用してはということ。
Q:それに対して県はどう考えるのか。
A:評価部会での議論を見守る。(傍聴席から笑いあり)
Q:地域がん登録に3000万円かけた。甲状腺検査に8億円かけても把握しないとはどういうことか。県民健康調査に300億円かけた。県民のために効果的に使ったのか。
A:(保健福祉部長)古市議員にも論拠があるのはわかりましたが、検討委員会、評価部会、国際的な世界中の知見も求めて、どうあるべきか検討している。

                           

2018年2月17日土曜日

第2回県民健康調査課との話し合い報告

2月14日午前、古市三久県議会議員の仲介による、第2回県民民健康調査課との話し合いが設けられました。
ひだんれん、「いわきの初期被曝を追及するママの会」、子育て中の福島市の母親たち、郡山市、二本松市からも参加があり、約1時間、県民健康調査や甲状腺検査のあり方などについて話し合いました。

1月26日の第9回甲状腺検査評価部会で、検査の見直しに向けて具体的な作業が始まり、今後、検査のデメリットをリスト化した上で、同意書の取り方などを見直し、検討委員会に提言するということですが、「学校での甲状腺検診はこどもの人権問題」や「過剰診断」など、甲状腺検査の縮小を危惧させるような発言があったことで、福島県民の声を無視した進め方に危機感を持ち、急遽、要請書の提出と話し合いを設けたものです。

県民健康調査課は今まで通りのやり方で、4巡目の甲状腺検査を行うとのことですが、検討委員会や評価部会に対しては、県民の側に立ち県民の健康を守るためにリーダーシップを発揮してほしいと、第1回に続き今回も強く要望しました。

第2回県民健康調査課との話し合い報告はこちらをクリック

第9回甲状腺検査評価部会 アワプラネットTV
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/2215





県民健康調査課との第2回話し合い報告      
2018年2月14日(水)11:00~12:00 県庁舎

<出席者>
古市三久県議
県民健康調査課: 鈴木陽一課長 福島主任主査、他スタッフ1名
ひだんれん:9名 いわきの初期被曝を追及するママの会:1名 郡山市:2名 福島市:2名 二本松市:1名 フリージャーナリスト:1名

始めにひだんれんの要請書といわきの初期被曝を追及するママの会の要望書を読み上げ提出する。

<ひだんれん要請書及び質問書>
https://drive.google.com/file/d/0Bw9-NJsCQLz9VVN1T0Ftbnd5SjFsamctTG9DeDZUTGtlY3Fj/view?usp=sharing

<いわきの初期被曝を追及するママの会要望書>
https://drive.google.com/file/d/0Bw9-NJsCQLz9dW1CSzRNNGoxc2pKN2k3ZFJyLUpYRHhuQ01J/view?usp=sharing

・Qは、ひだんれん、ママの会、その他の参加者、Aは県民健康調査課の回答です。
赤字は県が回答すると答えたものです

<学校検診について>
デメリット
Q:福島県は(評価部会で言われた)学校検診のデメリットの具体的な例を把握しているか。把握していたらその内容は。
A:評価部会でそのような話があったが、学校の現場からは負担が大きいと出ているが、検査そのものについては教育委員会からは出ていない。これまで通り、4巡目を実施する。
A:評価部会では検査の説明の仕方に問題があるとの意見が出ていたが、4巡目のお知らせとは切り離して考える。
Q:学校の負担が大きいとは、何が負担なのか?
A:学校の授業や行事の場所や時間を借りて検査を実施するため。
Q:養護教諭の負担が大きいと聞いていたが、その部分は国に手当をしてもらうべき。

同意、不同意
Q:3巡目から検査に同意する、しないのチェックをしてから送り返すことになっているが、同意しないとの項目があると、やらなくてもいいのかなとなりかねず、多くの母親からこのやり方はおかしいという声が上がっている。検査の拡充と長期的な継続を県として強い姿勢でやってほしい。
Q:福島の子どもたちには平等に甲状腺検査を受ける権利がある。親の希望により受ける受けないを決めるのではなく、被曝した子どもたちが定期的に検査を受けられるようにして欲しい。
A:検査の同意、不同意は医学倫理上受診者に説明が必要だと設けられた。これからも、同意、不同意は聞く。
A:県として検査の縮小に舵を切ってはいない。検討委員会でもそうなってはいない。

通知について
Q:検査の通知が遅い。うっかりして出し忘れることがある。出し忘れて検査を受けられなくなるのではなく、基本的にはみんなが受けられるような、さらにもう一歩進んだお知らせにしてほしい。
Q:県としてはみんなに検査を受けてほしいと思っているのか。
A:せっかくの受診の機会なので受けてほしい。

甲状腺検査を学校健診に
Q:甲状腺検査の情報を学校と共有しないのはなぜか?校長に聞くと自分の学校区に甲状腺ガンの子どもがいるかどうかも分からないとのことだった。他の症状に関しては学校では生徒の健康に関する情報は把握している。
子どもたちの健康管理をトータルに考えるのなら、福島県では原発事故があったので、甲状腺検査が学校健診に入っているのが当然の流れだと思う。
通常の学校健康診断に甲状腺検査を組み込めば、特別枠でやる必要はない。このやり方を検討してほしい。
Q:甲状腺検査は同意を取るのに、学校の健診は同意を取らないのは何が違うのか。
Q:検討委員の鈴木真一先生は、甲状腺けんしんは、木偏の検診ではなく、人偏の健診と言っている。つまり、特定の病気を早期発見するためではなく、健康状態を調べるためのものだとすれば、身長、体重を測ると同様に同意を取らずにやってもよいのではないか。
A:学校健診とはまた別の制度で切り分けられている。
Q:学校健診と一緒にやると合理的に行えるし、生徒や教師の負担も減る。受診率を上げるためにも、制度が違っても一緒にやるということができないか検討してほしい。
Q:先生の負担が大きいということだが、検診のための臨時職員を雇ってはどうか。
A:学校単位でいうと雇用の面でズレが出る。現場からそのような声が出れば検討する。
Q:友人が会津地方の甲状腺検査の介助の仕事を短期で行っていた。公募によって職を得ていた。検査時の臨時職員の雇用は既に行われている。

甲状腺検査の順番について
Q:甲状腺検査の順番についてはセシウム線量の高かったところから始めたと聞いている。小児甲状腺サーベメーターモニタリングの最高値は、いわき市の4歳の男児だったがいわき市が検査の順番が後になったのはなぜか。
A:そこはわからないので、後ほど回答する。

<節目検査(20歳以上の検査)>
節目検査を5年ごととした医学的根拠は何か。
Q:どのような知見からこのような制度設計をしたのか。
A:H23年に県民健康調査検討委員会で専門家が議論したうえで、5年に1回で大丈夫だろうという判断で実施した。
Q:当初は甲状腺ガンの発生は遅いとしていたが、実際は2年後には転移している状態だ。
浪江町は県がやらない年に町として検査をしている。また、いつでも申し込めば受けられる体制になっている。今は制度設計当時の前提が崩れている。2年に一度、20才以上は5年に一度では遅すぎる。子どもたちを守ろうとしたら、細かく検査をしなければならない。制度設計の見直しをしてほしい。
A:意見として伺っておく。
Q:2年に一度でも手遅れになっている事実があるが、それに対しては県としてどう認識しているか。
A:現在の県民健康調査の在り方については、検討委員会での議論に沿って実施する。
節目検査の結果の計上はどのような形でするのか。
A:節目検査はH29年から始まっている。結果については別途計上する。
Q:経過観察の人が癌になっても計上されなかったので、このようなことがないか心配だった。節目検査はどうするのか、確実に計上するか。
A:計上する。
Q:5年ごとの節目は必ず計上して発表するという確認でよいか。
A:提示する。
Q:5年ごとの節目検査で経過観察に回ってしまった場合は、2年ごとの検査と同じく数字が上がって来ないということか。
A:そういうことになる。
Q:県立医大が経過観察の調査に2年もかかると言っているが、早急に発表してほしいと県から県立医大に言ってほしい。

<安定ヨウ素剤について>
Q:事故当時、安定ヨウ素剤を配布せず、回収までしようとしたことに対し県の見解は。
A:私の課ではコメントできない。当時いろいろな状況と判断があったので、県としてのコメントはできない。
Q:三春町がヨウ素剤を配った後、県が回収しようとしたと聞いている。
  また、当時県立医大から県に要請があり、安定ヨウ素剤を4000錠、県立医大関係者に配ったと聞いているが、事実確認をしたい。
A:県としてどこが回答すべきかを回答する。
Q:県として把握している事実関係を含めて回答してほしい。
Q:いわき市が配布を決めたことに対して県がストップをかけたことも確認したい。

<検討委員会、評価部会の人選について>
Q:検討委員会や評価部会で委員が変わってから、過剰診断や学校での検診は人権侵害だなどということが浮上してきているが、県はどのように人選をしているのか。公平な人選をしているのか。
例えば、チェルノブイリ原発事故の後にWHOがヨウ素剤の配布指標を100ミリグレイから10ミリグレイに変えたとき、日本では100ミリグレイのままにしてWHOの指標を採用しなかった。その時の検討委員会にいた人が、現在の県民健康調査検討委員会や評価部会に居て、甲状腺への影響を調べるのは妥当なのか疑問である。
A:人選については県がお願いしているわけではなく、学会や団体から推薦してもらっている。
Q:県は人選の責任があるはず。バランスが取れていると思っているのか。
A:当初は先生同士のつながりで選んだ部分もあるが、今は広くお願いしている。各界の高名な先生、他の委員会、政府の意思決定にかかわる先生が重なることがある。その道の先生をお願いするとそういうことがある。
Q:今までも含めて人選に関して県民の支持が得られているとは思えない。人選が偏っている。信用が置けないという見方をしていることも知っておいていただきたい。
Q:検討委員会は傍聴者も多く、ネット中継によって全国の人が固唾を飲んで観ている。この点でも公平な人選を示してほしい。
検討委員の中には損害賠償裁判で国側の意見書に名前を連ねている人もいる。
  
<その他の質問>
出生数など
Q:県民健康調査課として以下のことは調べているのか。
①原発事故の前年(2010年)から2017年までの出生数。
②2010年~2017年までの、死産、流産に関して 妊娠初期~5か月までと5か月後から周産期までの数。
③2010年~2017年までの、出生後1年未満で亡くなった子どもの数。
   市町村別のデータがあれば。
④小学校入学時、普通学校に入学した子どもの人数と、特別支援学校、特別支援学級に入学した子どもの人数。
:①は把握している。②は把握していない。その他は確認したうえで回答する。

市町村ごとの検査結果の公表を
A:避難地域13市町村、浜通り、中通り、会津で集約した。
Q:それでは被曝線量の幅が広くなりすぎてデータを公表する意味が無くなる。
A:ガンないしガン疑いの人が減っているので、市町村だと個人が特定される恐れがある。
Q:地域差を隠蔽しているように見える。
Q:飯舘辺りから出たんでしょ。
A:そういう個別の議論を無くすために出せない。個人の人権に配慮しなければならない。
Q:名前を出さなければいいのではないか。
A:小さいコミュニティでは特定されかねないという危惧がある。
Q:出さないでほしいという意見は当事者からなのか、市町村としてなのか気になる。
A:意見ではなく危惧でやっている。
Q:数字的なものは公表しないのか。
A:数値を隠すということではなく、被曝と健康の関係を見るには個人的に見ないと、市町村で見てもわからないという議論がなされている。
Q:市町村ごとの数字を見ていると明らかに地域差が出ていたが、今後四地域にしてしまうと見えなくなってしまう。
                                                                



2018年2月5日月曜日

第10回福島県交渉報告

第10回福島県交渉は、人数制限(数名)と時間制限(1時間)メディアは入れないという条件付きのものとなったため、当日の話し合い内容を要約書き起こししました。
 
 
日時:2018131日(水)13:00~14:00 
場所:県庁本館5階会議室

<出席者> 

福島県県:・避難地域復興課 佐藤総括主幹、・避難者支援課 武藤副課長、

・生活拠点課 大橋副課長、小林副課長 ・原子力損害対策課

ひだんれん:村田、熊本、武田、武藤、今野 大河原(事務局)

=ひだんれん A=福島県

1.知事の1年の総括と今後の方針について (生活拠点課)

Q:回答が抽象的で中身がわからないので、質問2以降で具体的に聞くことにするが、

 「2000世帯に初期費用の支払いが行われている」の初期費用とは何か?

A:民間賃貸住宅の家賃補助の初期費用。


2.避難者の生活実態把握について  (避難者支援課)

Q:(1)の回答では個別調査や生活再建支援拠点での相談対応などにより状況把握するとしている。それはそれでやってほしいが、実態調査に対する回答にはなっていない。

A:アンケート調査も一つの方法だが、今は引き続き検討する。

Q:個別調査をするといっているが、今年の4月以降もやるのか?

A:4月以降もやる。

Q:戸別訪問をする福島県の駐在員は何人いるのか?

A:関東、山形など避難世帯が多いところ、各県1名ないしかけ持ちでやっている。大阪にも事務所があり関西圏を担当。全国で1011名。

Q:生活再建支援拠点での相談の中身は分析されているのか?

A:回答の相談件数1234件は上半期のもので、相談内容は住宅や生活に関するものの他、教育関係、近隣関係などもある。統計的なことはまとめていない。

Q:生活再建支援拠点を避難者対策の「柱」とするのであれば、相談を分析しそれに基づいて支援策を考えることが必要ではないか?

A:統計を活用するという意味では、生の情報を使っている。

Q:アンケートは何をクリアーできればやれるのか?

A:年度で結果を出すのは難しい。適切な把握の仕方は難しい。実効性のあるものとして検討していく。

Q:新潟県が「原発事故による健康と生活への影響に関する検証委員会」で避難生活に関する総合調査をしてアンケート結果を出している。
   質問項目が生活の実態が浮かび上がってくるものとなっている。福島県でもこれを参考にして是非やってほしい。

↓参考 「新潟県の避難生活に関する総合調査」



Q:前回11月の話合いの時に意向調査をやるともやらないともはっきりしなかったが、事務文書の開示請求をしてみると、昨年9月の段階ではやる方向で検討していたのに、何故やらなかったのか?

(参考:開示事務文書①~③)


A:このスケジュール通りにはいかない。

Q:来年度にやるのなら予算の計上が必要ではないか?

A:アンケートは事務的な経費として使えるので予算がなくてできないということはない。アンケート調査だけしかできない形ではなくやりたい。統計的に分かり易い形はその後になる。

Q:開示された文書⑤では支援される人のカテゴリーが整理されている。これによれば応急仮設住宅を出た人も対象者となっているがこの通りか?

A:このとおりで、同じようにやる。

Q:支援対象者は8万人と書いてあるが対象者の実態を把握するのに、全国で10人程度しかいない駐在員でできるのか? 新潟県がやったような、生活実態調査をしないと把握できないのではないか?

Q:どういう事情があって福島県はやらないのか?

A:マスで捉えた分析も必要ではあるが、一方では個別の対応もある。どちらにシフトを置くべきか、もう少し考えさせてほしい。

Q:どちらかではなく両方合わせて考えてほしい。

開示文書URL

① 2017927日 福島県避難者意向調査について1/2


② 2017927日 福島県避難者意向調査について2/2


③ 2017927日 福島県避難者意向調査スケジュール


④ 2017522日  区域外避難者の応急住宅供与終了後の支援について


⑤ 2017522日 避難者数と支援対象者の定義


 
Q:「避難者意向調査」と「住まいに関する意向調査」は何が違うのか?

(生活拠点課):応急仮設住宅の供与終了後どうするのか、終了前の年に確認するものが、「住まいに関する意向調査」である。それを元に戸別訪問をする。現在調査しているのは、小高など来年度で終了する地域。

Q:この項目に関して整理すると、来年度は意向調査を含めて予算を計上するということか?

(避難者支援課): 予算は言えないがそれも選択肢となるようやっていく

Q:新潟県や山形県のアンケートは参考にしてもらえるのか?

A:参考にする。

Q:今年度の生活再建支援拠点の相談内容をまとめて分析する予定はあるか?

A:ここ数か月では難しい。

 
3.住宅明け渡し調停・訴訟について (生活拠点課)

(1)国家公務員住宅の調停について

Q:調停について不調の場合は管理者である東京都と協議するとある。福島県が国家公務員住宅の継続見込み数160戸を借りることにした時点での財務省との契約内容を明らかにしてほしい。

A:160戸は見込み数ではなく意向調査をして、有償でも住み続けたいとした世帯数である。

Q:意向調査をする時点では、契約の概要しかわからなかった。だから4月以降契約しない人も出てきている。

A:特例として2年間の期間限定で延長したので、この間に生活再建に向けてやってほしいが、2年間でできない人に対しては戸別訪問で対応している。

Q:国と協議が不調な後で何があるのか?どうするのか?訴訟なのか?

A:家を探すという意味では、公営住宅などがある。

Q:今、調停にかけられている世帯の中には、都営住宅の応募要件の収入要件や世帯要件で外れた人がいる。応募要件を撤廃してほしい。また、調停にかけられた世帯に個別対応するのではなく、制度としてやらなければ解決にならない。

Q:それを福島県にやってほしい。

Q:国家公務員住宅について言えば、二つの問題がある。ひとつは家賃が払えない経済的な問題、もう一つは2年の期限が切れた後の見通しが立たないこと、それを調停で解決しようとしても無理である。

具体的な対応がないときめの細かい個別対応にはならない。

Q:契約を結べ、未払い分の家賃を払えというだけではなく、都の担当者を入れて都営住宅に入れるようにするなど、具体的な解決方法を仕組みとして考えてほしい。

A:前提が有償でも住み続けたいということだったので、法的措置ということになった。

Q:しかし、契約書の中身は示されていなかった。

Q:前提として納得したじゃないかというが、納得していなくてもそこしか住まざるを得ないからそうなっている。

A:我々も訴訟や調停はやりたくないが、対象者からの回答も何もなく、直接の話合いができないからこのような形になった。

Q:避難者は圧倒的に不利な立場で生活していることをわかっていてほしい。

 
(3)山形県の雇用促進住宅について (生活拠点課)

Q:被告弁護人から県に宛てた質問書が来ているはずだがどうか?

A:質問書については知らない。

Q:福島県が雇用促進住宅を機構から借り上げて提供していると確認した、201241日付の福島県知事と機構の理事長の公印が押された文書が裁判の資料として出てきている。県にもその文書は残っているはずで、変更されていないのであれば福島県が雇用促進住宅の提供主体ではなかったのか?

A:それがどういう位置づけになるのか、裁判の中ではっきりすると思う。訴訟に至るまでは機構側からの個別の取り組みはしている。

Q:裁判以外の解決方法は考えていないのか?福島県が山形県と話し合いをするなど、仲介を考えてもよいのではないか?

A:訴訟中ということでそれは難しい。


4.避難指示解除区域などの住宅提供について (生活拠点課)

 追加質問:東電が家賃賠償を打ち切った後、50億円の「寄付」をして、県の新たな制度を作るとしているが、その制度とはなにか?

A:20178月に福島県は9市町村(南相馬市、川俣町、富岡町、川内村、大熊町、双葉町、浪江町、葛尾村、飯舘村)の応急仮設住宅の供与期間を一部延長した。避難指示区域の世帯には東電の家賃賠償があったが、今年の3月で打ち切ることになっている。同じ地域から避難したのに、応急仮設住宅に入っている世帯は1年延長となり、東電の家賃賠償の世帯は1年早く打ち切りになるのは格差が生じるということで、東電の住宅賠償打ち切り世帯に対して1年延長のために東電が寄付をした。

Q:格差が生じるということであれば、区域内避難者だけではなく、既に大きな格差が生じている区域外避難者にもその考えを拡大してほしい。

Q:福島県が国に要求したのか、国が東電に要求したのか?

A:県と4町(浪江、双葉、大熊、富岡)が自民党本部(党復興加速化本部)に要望に行き、自民党が政府に要望し、政府から東電に要求した。

Q:国民の税金で賄っている東電が「寄付」するとはどういうことか、加害者である東電は賠償しなければならないのに。

Q:東電が賠償を続ければよいことなのに、なぜここにきて突然福島県が新しい制度を作ってやるということになったのか?

Q:県がこれをやるのならば、区域外避難者にも広げてほしい。

A:「検討します」と期待させることは言えない。区域外避難者は対象外である。


参考:民報1216日の記事「家賃賠償」新支援策を検討 政府と東電対応


 

Q:県がどうしたら(被害者のために)動きやすくなるのか、私たち被害者が何をすればよいのか、県と同じ方向を見ていることを知っておいてほしい。
 

 今後の話合いについての要望

今後も引き続き話し合いの場を設けてほしい。

・今回は人数制限と時間の制限があったが、他にも話し合うテーマは様々あり、他の被害者も参加できるよう、人数制限をしないで話し合う場も設定してほしい。

                                  以上

第10回福島県交渉 質問と回答

去る1月31日に福島県とひだんれんの話し合いが行われましたが、それに先立っての質問と回答を掲載します。

第10回福島県との話合い質問項目と回答はこちらをクリック

1. 知事の1年の総括と今後の方針について

昨年度末の区域外避難者への住宅無償提供打ち切り、帰還困難区域を除く  避難指示解除により、県内外の被災者・避難者を取り巻く環境が激変し、多くの問題が生じています。大震災・原発事故から8年目を迎えるにあたって、以下の点について内堀知事の見解をお聞かせ下さい。

(1)「区域外避難者に対する災害救助法適用の打ち切り、県の独自支援策  への切り替え」という知事の判断に誤りはなかったと判断されていますか。

(2)「独自の支援策」で、被災者・避難者の生活は守られていると判断されていますか。

(3)知事は日ごろから「光と影」と申されておりますが、「影」の部分の大きな問題は何だと認識されておりますか。

(4)「影」の部分に対する対策をどう検証され、対策を立てられますか。

(5)区域外避難者への家賃補助、避難指示解除区域からの避難者に対する住宅無償提供終了期限とされている2019年3月末以降の「支援策」の骨格に対する知事のお考えをお示しいただきたい。

<(1)~(5)回答>

・避難指示区域以外からの避難者への供与については、除染の進捗、食品の安全性の確保等、生活環境が整いつつある中、応急救助という災害救助法の基
本的な考え方から、これ以上の延長は困難と判断し、平成29年4月以降は、災害救助法による住宅の供与から、県独自の支援策に移行することにいたしまし
た。

・低所得者や母子、父子避難による二重生活世帯については、収入要件を緩和するなど、避難されている方々の自主再建に向けた経過措置として実施し、これまで約2,000世帯に初期費用の支払いが行われております。

・解決すべき様々な課題を把握し、市町村や国、関係機関と連携して対応していく考えであります。


2. 避難者の生活実態把握について

 (1)住宅無償提供打ち切り後の避難者の生活実態調査の実施計画(実施時期、規模、主な内容等)を、具体的にお示しいただきたい。

<回答>

・復興支援員等による戸別訪問や生活再建支援拠点での相談対応などにより避難者の状況を把握していくとともに、避難者の生活実態把握にどのような方法が効果的かについて、引き続き検討してまいります。


(2)昨年12月23日に東京国際フォーラムで開かれた避難者交流会で、内堀知事は、避難者の意見を受けて「実態把握は必要」と述べ、対応する姿勢を示されました。知事からの指示はあったかどうかお知らせ願いたい。

<回答>

・支援を必要とする方々の把握とその支援については、以前から重要なことであると認識しております。


 (3)実態調査については、被害者3団体として調査に入れていただきたい項目を具体的に提案する準備ができていますが、受け入れていただけるかどうかの返答をいただきたい。


<回答>

・上記2(1)のとおりです。


 (4)同じ席で、吉野復興大臣も同趣旨の発言をされたうえ、「福島県と協力して全避難者の個別訪問をやって実態を把握したい」と言っておられたが、具体的な計画はあるのかどうかを教えていただきたい。

<回答>

・復興支援員や支援団体などが行っている戸別訪問等について、今後も継続的に実施できるよう、財源を含め国と連携して施策を講じてまいります。


 (5)復興庁、福島県とも避難者対策の「柱」とされている「復興支援拠点」の活動実績を明らかにされたい(今年度の予算、相談件数、相談内容の分析など)。

<回答>

・生活再建支援拠点事業等の今年度当初予算は222,045千円、相談件数は1,234件(29.10月末現在)、相談内容は、住宅等の相談や生活に関する相談が多い状況です。


3. 住宅明け渡し調停・訴訟等について

 本年4月以降も仮設住宅に住み続けている世帯に対する明け渡し請求などの調停・訴訟について、以下の点を明らかにされたい。

(1)12月議会にかけられた国家公務員住宅の5世帯について

  ①対象者には事前通知をされたか。

 ②契約書の内容を説明して納得を得たか。(※追加質問の予定あり)

  ③対象者の生活実態について把握されているか。

 ④調停不調の場合は訴訟に移行するのか。

 ⑤福島県管轄以外については避難先自治体の判断・対応に任せるのか。  


 <回答>

①職員が直接訪問し、お会いできた方には契約を締結していただきたい旨を説明するとともに、今後、法的手続きを取る可能性のあることを文書の手交と共にお伝えしております。また、不在だった方へは、ポストに投函させていただいています。

②今回対象となっている方々からの質問はありませんが、引き続き丁寧に説明してまいります。また、不在だった方からの質問もいまのところ寄せられておりません。
③面談や電話でお話を伺えていない方に関しては、話し合えないことから、生活状況について伺う機会や相談を受ける機会もない状況にあります。

④できる限り調定により解決を図りたいと考えていますが、不調の場合には、管理者である国と協議してまいります。

⑤これまで戸別訪問等連携して行ってきたことから、引き続き避難先自治体と連携して対応してまいります。


(2)同様12月議会にかけられた4世帯について

  ①対象者の家族構成と住宅種別。

  ②提訴判断に至った経緯と理由と提訴場所・日時。

  ③県議会での論議内容。


<①~③回答)>

訴えの提起

    議案第100号 A 建設型仮設住宅

    議案第102号 B 借上げ住宅

    議案第103号 C 借上げ住宅

   民事調停の申立て

    議案第104号 D 建設型仮設住宅

 (※訴状の提出場所については、今後弁護士と相談しながら決定されていくこととなります。)

・既に避難前の自宅に戻られたものの、引き続き応急仮設住宅を倉庫代わりに使用し、退去手続きに応じていただけない方や、面談の約束をした上で訪問してもその約束を反故にされたり、面談の際に声を荒げたり、脅しに近い態度を取るなど、本人との信頼関係が築けない方、持論の主張が強い方等、これ以上話し合いによる進展が見込めないことから解決を図るためやむを得ず、訴訟や調停などの法的措置を取らざるを得ないと判断いたしました。

・この件に関し議会の承認を図るため議案を上程し前述の内容を議会に対し説明を行い、選定した理由などについての議論が交わされ、訴えの提起や調定の申立を行うことについて承認を得たところです。


(3)山形県の雇用促進住宅について

  ①国または提訴した独立行政法人との事前・事後の協議の有無。

 ②福島県の見解。

 ③改めて福島県が話し合い仲介をする意思はないか。

<①~③回答>

・県としても住宅を提供してきた機構等と連携し、戸別訪問等を通して対応してきたところですが、これまでの当事者間の話し合いの経過を踏まえ、これ以上の進展が見込めないとして機構が判断したものと考えております。

・また、双方が訴訟代理人をたて現在係争中であることから、県が仲介に入ることは難しいと考えております。


(3)その他の住宅居住者について

 ①今後も明け渡し訴訟や調停などの法的措置を取る方針か。

<回答>

・現在も未退去者に丁寧に対応していますが、当事者間での話し合いが見込めない場合は、法的措置として、第三者たる裁判所に介入していただくなど適切に対処してまいります。


4. 避難指示解除区域などの住宅提供について

(1)提供打ち切りを予告されている平成31年4月以降の支援策の検討状況をお聞かせいただきたい。

<回答>

・避難者の意向を戸別訪問等の実施により確認するとともに、避難者住宅確保・移転サポート事業につなぐ等引き続き住宅が確保出来るよう取り組むとともに、情報提供事業や相談対応業務を通して、必要な情報や活用できる支援策の提供に努めるなどを検討してまいります。

 (2)支援策の主な内容、予算措置、周知の時期についてお聞かせいただきたい。

<回答>

・上記4(1)のとおりです。

 (3)帰還困難区域からの避難者に対する県独自の支援策についてお聞かせいただきたい。

<回答>

・復興公営住宅の整備など


5. 「緊急要求」について

前回の話し合いの際に提出した被害者団体連絡会(ひだんれん)の緊急要求に関して、以下の点を明らかにされたい。

(1)住宅に関する5項目の検討結果をお聞かせいただきたい。

<回答>

ア 区域外避難者への住宅無償提供について

  ・応急仮設住宅の供与については、上記1(1)のとおりです。

 なお、県では、帰還や避難の継続を自らの意思で選択できる支援として、引っ越し支援や民間賃貸住宅等家賃への補助を行ってきたところです。

イ 区域外避難者への実態調査を行い、精神的、身体的、経済的困難の即時解消と損害の回復措置を講ずることについて

 ・実態調査につきましては、上記2(1)の回答のとおりです。

ウ 福島県は、2013年以降の避難者に対しても住宅無償提供を行うこと

・上記1(1)のとおりです。

 エ 避難指示解除地域の避難者の実態調査を行い、全ての避難者に対する住宅の無償提供を継続すること

 ・実態調査につきましては、上記2(1)の回答のとおりです。

 ・住宅の無償提供:上記1(1)のとおりです。

 オ 被害当事者団体との協議機関を設け、今後の避難者住宅政策を早急に確立すること

 ・当事者団体からの御意見・御要望については、これまでもお話を承る場を設けてきたところであり、引き続き民間賃貸住宅等家賃補助事業の実施や公営住宅の確保などを通じ取り組んでまいります。


(2)要求(2)の「損害回復」に関して、福島県のできる当面の措置として民間賃貸 住宅の家賃補助の継続・延長・増額はできないか。

<回答>

・県による民間賃貸住宅等の家賃補助は、避難の継続が必要な世帯に対して支援を行うことにより、応急仮設住宅の供与期間終了後に円滑に生活再建を図っていただくための経過措置です。

・平成27年6月に発表した応急仮設住宅の供与期間の1年延長と、補助事業の実施期間2年を合わせた計3年間で、将来の再建の見通しを立てていただけるよう支援をさせていただいております。


(3)同(5)の「協議機関」について、まず福島県が率先して設けることはできないか。

 <回答>

・上記5(1)オのとおりです。


6. 家賃補助について

家賃補助について、最新の状況をお聞かせいただきたい。

(1)申請受付件数、交付決定通知件数、決定の内訳(交付、却下、審査中)。

<回答>

・平成29年12月末時点の状況は、以下のとおりです。

申請受付件数     : 2,118件

うち、審査対象     : 2,081件

交付決定等通知     : 2,073件

…交付決定 1,995件、補助対象条件外等 78件

審査中 : 8件

(2)収入要件ではねられた件数と、主な内容(どの程度のオーバーが多かったのか、ボーダーラインに近いものがどの程度あったのか、など)

<回答>

・収入要件超過件数 : 34件(却下1件を含む。)

  世帯構成員が複数人いて、世帯の所得が収入要件(月額21万4,000円以下)を超えていた事例などが挙げられます。

(3)今後の見通し(申請が続くか、一段落とみるかなど)  

 <回答>

・直近の交付申請は月に10件程度となってきており、交付決定世帯数が、当
初見込んだ2,000世帯程度となっている状況を踏まえると、申請は落ち着い
てきたものと思われます。


7. 前回からの持ち越し

(1)司法判断に対する対応検討体制と進捗状況

  前回の話し合いで担当課は原子力安全・損害対策室を中心になると伺ったが、「生業判決」に対する分析、政策への反映などの具体的検討はどこまで進んでいるか。

 <回答>

・生業裁判については、係争中であることから、今後の状況を注視してまいる考えであります。

・原発事故への対応は、原子力安全規制を一元的に担ってきた国と事故の原因者である東京電力の責任において、将来にわたる様々なリスクを想定し、安全かつ着実に廃炉を進めることが本県復興の大前提であると考えております。

・また、国と東京電力においては、被害者それぞれの立場に立った賠償を迅速かつ的確に行うこと、避難を余儀なくされた被災者の生活再建へ支援を確実に行うことなど、地域が抱える課題の一つ一つに真摯に向き合い、責任を全うするよう、あらゆる機会を捉えて求めてまいります。

                                        <以上>   

2018年1月25日木曜日

「いのち・暮らし・人権を考えるシンポジウムー原発震災と奪われた人権ー」盛会となりました。

「いのち・暮らし・人権を考えるシンポジウムー原発震災と奪われた人権ー」を、1月21日午後、郡山市の市民交流プラザで開催しました。ひだんれんとしては初めてのシンポジウム開催でしたが、160余人にご参集いただき会場満員の盛会となりました。
ご参加、ご協力の皆さま、ありがとうございました。



原発事故による被害を人権侵害ととらえ、どうやって奪われた人権を取り戻していくのか、個別の具体的な課題に取り組む前に、福島の現実を総体として把握したいと考え、前半は基調講演とそれぞれの登壇者からの発言、後半はパネルディスカッションが行われました。

ここで話し合われた内容は、今後のひだんれんの活動にとって大変示唆に富むものとなりました。
(報告の内容は、ひだんれん幹事で当日のパネルディスカッションのコーディネーター、佐藤和良さんのブログ「風の便り」より抜粋させていただきます)


全体の録画はこちらです。UPLANの三輪祐児さんより
ひだんれん「いのち・暮らし・人権を考えるシンポジウム」


◆今井照さん(公益財団法人 地方自治総合研究所主任研究員)から「『政治・行政』の考え方と市民自治」と題して基調講演がありました。




自民党長期政権下での官僚主導の行政運営、小泉内閣に至る自民党内閣による「改革」などを経て、地域の政治・行政組織としての自治体の現状は、「地方分権」の名のもとに集権化・一元化が進み、国による自治体統制が強化されている実態を示しました。

その上で、市民が使いこなすための「そもそも自治体とは何か」として、土地の区分としての自治体(住所)、地域社会としての自治体(人と人との関係)、 地域の政治・行政組織としての自治体(ガバメント)であると定義し、
「生きる場としての地域・自治体」の再建をめざすとして、多様性を保障する自治体〜個別具体的な地域における市民自治の論理、政治・行政共同体としての自治体〜「地域自治組織」に押し込められることなく、縮小社会の到来のなかで、政治の当事者となる市民が政治争点の日常化、全般化を進めていくべきと述べました。

今井照さんの当日講演レジュメはこちらです。
 



◆憲法学者の中里見博さん(大阪電気通信大学工学部人間科学研究センター教授) 原発賠償京都訴訟の原告でもあります。



人権の視点から、「現実をどのようにとらえるか」として、最近刊行された「しあわせになるための『福島差別』論」について、「被曝の健康リスクは大したことはない、という結論が前提にある」と指摘。
「差別と分断を乗り越えるためにと言いながら、立場が一方に偏っていて本の作り手が分断されたままで、どうやって読者に分断を乗り越えることが期待できるのか」と疑問を投げかけました。
また、科学の優越性が前提となっているが、低線量被曝の健康リスクなど社会的、政策的レベルでのリスク評価は「<科学的に不確実である>ことに関して、リスク評価は市民社会=主権者が行うべきだ」とし、「健康リスクにかかわる平穏生活権」(平穏のうちに生活する権利)が提唱されていることを説明しました。

中里見博さんの当日発言メモはこちらです。

◆医療の立場から崎山比早子さん(特定非営利活動法人 3・11甲状腺がん子ども基金代表理事)
 


被曝の健康リスクについて、「放射線ほど身体に与える影響がわかっているものはないのに、何故専門家の意見が分かれているか。専門家が市民にデータを公表していないから」と厳しく指摘しました。

また、福島県による県民健康調査の甲状腺検査に対する過剰診断論についても、福島県県立医大の「鈴木眞一教授は過剰診断ではない、と否定している」と説明しました。
時間が足りなく準備したすべての資料を説明していただくことができず残念でしたが、資料を添付しましたので、ご覧ください。


 
 
◆市民の立場から千葉由美さん(いわきの初期被曝を追及するママの会代表)
 
 


 初期被曝をしてしまった子どもたちを守りたいと、追加被曝を防ぐ体制づくりをめざして、TEAMママベク子どもの環境守り隊をつくり、学校周辺の土壌など子どもの環境の放射能測定を継続し、子どもたちの被曝防護策を求めるため、行政との長期的な協議を行ってきたこと、を報告しました。
 
 ◆パネルディスカッション
 
  4人のパネラーの皆さんとコーディネーターの佐藤和良さん
 
パネルディスカッションでは、「被害者としての責任を果たす」がキーワードの一つとして語られました。原発事故の収束も見通せない中、放射線被曝を軽視した帰還政策が強行されるなかで進む人権侵害に対して、被害の原点に立ち戻りながら、厳しい現状に甘んじることなく、分断を超えていくこと、被害者がつながることで、子どもたちや未来世代のために、奪われた人権を取り戻して行くことを確認しあいました。
 
共に考え、共に状況を変えていくために、今後のシンポジウムの継続開催の声も聞かれました。
 
◆ひだんれんは今年も各団体が手を携えて、被害者の命・暮らし・人権を取り戻すための活動を続けます。
どうぞ、よろしくご支援ください。
 

 ひだんれん 参加各団体の団長、代表の皆さん






 

2018年1月14日日曜日

山形地裁 「住宅明渡し訴訟第2回口頭弁論」報告

福島県避難指示区域外から、山形県米沢市の雇用促進住宅に避難した8世帯に対し、住宅を監理する独立法人が立ち退きと家賃の支払いを求める訴訟が起こされています。

1月12日(金)山形地裁での「住宅明渡し訴訟第2回口頭弁論」の傍聴と報告集会に参加しました。

傍聴席27席に対し60名以上が並び、この裁判への関心の高さが示されました



以下、報告集会での福田弁護士の解説の要約です。

 ◆今回は訴訟の枠組みの変化があった。

・「独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構」(以下、機構)が、昨年10月31日に雇用促進住宅の一括売却をし信託契約が締結されて、実質的な所有者は「東日本民間賃貸サービス合同会社」となり、ここが大阪にある「ファースト信託株式会社」に委託している。

・現在、受託者として住宅管理をしているファースト信託が裁判に参加してきた。実質的にはファースト信託が、原告として裁判を遂行していく。

・機構は裁判からは脱退し、残っているのは4月~9月末までの家賃を請求する部分だけとなる。

・原告代理人は機構とファースト信託の代理人となる。

◆今回の裁判手続きは


・ファースト信託が参加申立書を提出した。

・機構と被害者間のさまざまな法律関係について明らかにせよとした求釈明に対する回答した書面が原告から提出された。

・こちらからは準備書面1を提出した。内容は、住宅供与打ち切りは国際人権機関においても、問題があると指摘されている。裁判所としても公正な審議を求めるというもの。

◆本日のやり取りで明らかになったこと。

・原告が被害者に対して、訴訟を起こしてでも追い出しをしようという強い対応の割には、法律関係は杜撰な管理をしている。例えば、機構は被告と機構の間に使用貸借契約が成立しておりそれが3月末で打ち切られたと主張していたが、準備書面ではこれを根本から覆して貸し主は子会社であるSK協会であるとしている。

・更新については毎年更新していたとするが、そのような書類は作成されていない。
機構の言い分は、雇用促進住宅に1年間延長するという貼り紙をしていた。入居者はそのまま住み続けていたので黙示の契約が成立していたとしている。
去年3月で打ち切るという明確な書面を出すことはできないでいる。
また、貼り紙は機構の名前で出されていて、貸主だとされるSK協会の名前ではなかった。

重要 福島県が機構から借り上げるという書類が作成されている。機構理事長と福島県知事の公印が押してあるものだ。そうであれば貸主は福島県ではないのか。それには一切触れずに、機構はSK協会が貸主だと主張していて、支離滅裂である。

重要 機構という公的主体から、雇用促進住宅が民間主体に譲渡された。譲渡契約の中で公的な性格を民間に引き継がせるためにいろいろな約束をさせているはず。例えば雇用促進住宅の入居者については10年間は同じ契約にするなど、その証拠を機構は持っているはずだ。
これが重要なのは、譲渡契約の特約の中に災害救助法に基づく応急仮設住宅に関しては、譲渡の段階で入居者に有効に、譲り受け人がそのまま引き継ぐということが入っているはずだが、機構はそれを出してこなかった。
出すと譲渡契約に基づいて居住する権利があると主張することを恐れて出してこなかったのではないかと思い、今回はこれを提出するよう要求した。(2週間以内に書類が提出される予定である。)



海渡雄一弁護士 
「住宅の公的性格を際立たせ、避難世帯への補助打ち切り政策が正しいものか、争点にしたい」

井戸謙一弁護士 
「国も福島県も姿を隠し、“民民”間の問題にされようとしている。
原告はファースト信託株式会社。国でもなければ、福島県でもありません。雇用支援機構から住宅を購入した東日本賃貸サービス株式会社から住宅の信託を受けた会社です。
自主避難者の追い出しの責任ある国や福島県は表に出ないで隠れている。

原告は、避難者に住宅を貸していたのは雇用促進機構だったと主張しています。
しかし本日の期日(1月12日)で我々避難者側は、福島県が雇用促進機構から雇用促進住宅を一括して借り上げる旨の福島県知事と機構理事長の公印を押した確認書を証拠提出しました。
福島県が一括借り上げたのなら、避難者に供与したのは福島県であり、明け渡しの原告になるべきなのは福島県です。

責任ある者が裏に隠れるからくりをあばかなくてはなりません」
                                  
次回 第3回口頭弁論は3月20日午後2時から 
山形地裁にて。




現裁判長は3月までで、4月から新しい裁判長となることが弁護団より報告されました。